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2015-2016年度 活動報告

卓話「Four Avenues of service の歴史的意義」

東大阪みどりRC山片重房様

 

2016年6月22日

Four Avenues of Service

(ロータリー活動の4路線、邦訳:四大奉仕部門 )

の歴史的意義

 

東大阪みどりロータリークラブ

山片重房氏       (安井 稔 会員紹介)

 

 

ロータリー100周年記念誌「奉仕の一世紀」には1926年、大英帝国・アイルランド内RI (RIBI)のパスカル会長が①「ロータリーのObjectsを十分に理解しているロータリアンは少ない」、②「ロータリーのあらゆる活動を半頁ほどに纏められるはずだ」と語ったと記されています(→p.97)。

①当時の定款Objects (1922年制定) には

the ideal of SERVICE       (第1項)

the Rotary ideal of service  (第6項)

という,よく似た言葉があるものの具体的な説明がありません。歴史的には、第1項がシェルドンの「商業サービス」(→p.65)を、第6項がポリオ障害児救済 (→p.81) などの「人道的支援活動」を指すものと考えられます。二つの活動(service)を支持する人たちが対立して、大混乱に至ったのが1923年で、これを収めるために作成されたのが決議23-34でした(→p.91)。

②RIBIが提案した“活動の3路線”に1路線を追加して(1927~28年)、後にFour Avenues of Serviceと称されたのが次の活動でした。

1) Club Service  クラブ奉仕(活動)

2) Vocational Service 職業奉仕(ヴォケイション活動)

3) Community Service 社会奉仕(活動)

4) International Service 国際奉仕(活動)

これは本邦で「四大奉仕部門」として疑問なく受け入れられてきましたが、1) はロータリーがクラブという形態をとるための活動、2)はアメリカ建国の歴史に基づくピューリタンの基本姿勢、そして、3), 4)が人道的支援ですから、定款にあるもう一つのSERVICE (第1項)はどこへ行ったのでしょうか。

―――この前年(1926年)に、決議23-34のタイトルを「ロータリーの目的に基づく諸活動に関する方針」から「社会奉仕に関するロータリーの方針」に変更しています。RIが諸活動 (商業サービスと社会奉仕) からシェルドン主導の「商業サービス」を除外したということです。(→p.102)。

そして1947~8年にはRIBIからの提案を採択するという形でFour Avenues of Serviceを制定して、ロータリー活動の中からシェルドンの「商業サービス」を排除したのです。

さらに1929年にはダラスRCよりシェルドンの言葉He profits most who serves best.の使用禁止案が提出されました(→p.103)。このような四面楚歌の中で、シェルドンは1930年にロータリーを去って行きました。

すると翌1931年にはシェルドンの言葉と単語profitが主要な位置を占める「ロータリー倫理訓」の頒布禁止令 (後に廃棄処分)が出され、1935年には見事な文章操作によって定款Objectsが改定されて、シェルドンの「商業サービス」が完全に除外されました。

1935年(昭和10年)は戦争直前の時期でしたから、定款改定が注目されなかったとしても仕方ありません。しかし戦後の長い歴史の中で1935年の定款が話題に上らないことは不思議でなりません。「活動の4路線 」(四大奉仕部門)の採択と1935年の定款改訂は、ロータリー活動の大きな転換期だったのです。

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ロータリーの定款(1992年) Article Ⅲ Objects of  Rotary

The objects of Rotary are to encourage and foster

1. The ideal of SERVICE as the basis of all worthy enterprise

2. High ethical standards in business and professions.

3. The application of the ideal of service by every Rotarian to his personal、business and community life.

4. The development of acquaintance as an opportunity for service.

5. The recognition of the worthiness of all useful occupation and the dignifying by each Rotarian of his occupation an opportunity to serve society.

6. The advancement of understanding ,goodwill ,and International peace through a world fellowship of business and professional men the Rotary ideal of service.

 

ロータリーの目的は以下の条項を奨励することである。

  1.  すべての価値のある企業活動の基礎としての“サービス”の理念
  2.  職業における高い倫理基準
  3.  ロータリアンは個人、職業人および社会の一員としての生涯を通して奉仕の理念を実地応用すること。
  4.  奉仕の機会があれば交友関係を発展させること。
  5.  社会に奉仕する機会があれば(奉仕に)役立つ仕事はすべて価値のあるものとして認識し、ロータリアン各自が行った仕事に誇りを持つこと。

6.ロータリーの奉仕の理念に結ばれた職業人の世界的な団体を通し理解と親睦と平和を促進ること。

 

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