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2015-2016年度 活動報告

卓話「視覚に障害のある方々の情報利用と録音図書について]

2015年11月18日

「視覚に障害のある方々の情報利用と録音図書について151118日本ライトハウス竹下様2回目

 

社会福祉法人

日本ライトハウス情報文化センター

館長  竹 下  亘 氏

 

 

 

 

※今回の卓話では、プロジェクターで写真を映して当館の活動を紹介し、デジタル録音図書プレイヤーの実演と、インターネットで録音図書を聴く様子の動画をご覧いただきましたが、ここでは文章で概要をご説明します。

 

1.視覚障害者には“本屋”がない。世の中に溢れている活字資料をそのままでは読むことができない。それをサポートするのが“点字図書館”(現在の法制度的な正式名称は、視覚障害者情報提供施設)。日本ライトハウスは1935(昭和10)年、阿倍野にライト・ハウス会館を開設以来、点字図書館事業を行って来た。

大阪府・市の視覚障害者(手帳所持者)は約2万人。これに対して、当館の利用登録者は3,500人。利用していない多くの方が当館のサービスをご存じない。前回お話しした通り、今日、中高年で視覚障害になる方、また目の見えにくいロービジョンの方が増える中、点字図書館という名称は知っていたとしても、点字図書しかないと思い、自分には関係ない、と思っている方が多い。実際には、録音図書が多数あり、非常に多く利用されている。もっと広報に努めなければならないと考えている。

 

2.当館のサービスの基本は、ボランティアの方々に点字・録音図書、電子書籍を作っていただき、それを無償で貸し出すこと。当館の書庫には、点字図書1万冊、録音図書1万5千冊を所蔵し、年間の貸出は点字図書3千冊、録音図書7万冊(録音雑誌1万5千冊)に達する。全国に点字図書館は90近くあり、目録を共有しており、インターネットでどこにどんな本があるかを調べて、相互貸借している。

また、館内でボランティアが読み書きのサポートをする対面リーディングも行っている。利用は1回2時間で、年間1千件。

さらに、図書の貸出だけでなく、さまざまな用具や機器を紹介・販売・講習するサービスも行っている。特にロービジョンの方に好評なのは、液晶画面に図書や雑誌、新聞などを見やすく映す拡大読書器。パソコンや電子機器の紹介、サポートにも力を入れている。

その他、毎年秋に難波で機器・用具展「日本ライトハウス展」を行い、今年も1,386人が来場されたほか、館内でも音声解説付きの映画会などを行っている。

 

3.こうしたサービスを支えてくださっているのがボランティアの皆さんで、週1回など定期的に来館されている方は、現在620人に達する。中でも点訳、録音のボランティアは年間、点字図書250タイトル、録音図書・雑誌350タイトル、音声解説40タイトル、電子書籍100タイトルなどを作ってくださっている。

図書のジャンルは読み物だけでなく、社会科学、自然科学などあらゆるジャンルに渡っている。それは目の見える人が仕事や勉強、趣味などで色々な資料を必要としているのと同じ。そうした本を正確に作るために、ボランティアの皆さんは講習会や勉強会を重ね、点訳、録音、校正、編集作業に勤しんでいる。

 

4.録音図書の場合、多くの方がCDを郵送で借りて読まれているが、先進的な方は、パソコンやIT機器を活用し、インターネットやWi-Fiで自由に読書を楽しんでいる。

今回、大阪フレンドロータリークラブ様の貴重なご寄附を元に作る録音図書は、郵送ケースと奥付(録音)に「大阪フレンドロータリークラブ文庫」と明記し、当館の利用者をはじめ全国の視覚障害の方々に利用していただく。こうした製作資材・機材の費用は公的補助がないので、非常にありがたい。この度のご支援に心から感謝申し上げるとともに、今後とも視覚に障害のある方々へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

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