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2016-2017年度 活動報告

卓話「血糖値スパイクと突然死」

2017年3月8日

170308大山良徳様

 

「血糖値スパイクと突然死」

 

大阪大学名誉教授・医学博士

 

大山良徳氏

 

(高田利美会員紹介)

 

 

170308大山先生卓話の図 枠あり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血糖値スパイクとは図に示したように、食後高血糖になる現象。血糖値は健康な人では殆ど上がらない。それは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンで調節されているからです。よって糖が速やかに筋肉に取り込まれています。しかし一方でインスリンの分泌のタイミングが遅れたり、インスリンの分泌の効きめが悪くなったりすると、食後に血糖値が急上昇します。これが血糖値スパイク。

40歳以上で約2割の人がこれに該当しています。

 

急激な血糖値の乱高下で血管に傷をつけ、これが繰り返されると血管がもろくなり動脈硬化が進行します。そしてやがて活性酸素(病気や老化を進行させる)が発生し、血管を傷つけるので免疫細胞が血管壁の内側に入り込み壁を厚くし、血管を狭くしてしまう。これが動脈硬化。この動脈硬化が進行すると心臓や脳の大きな血管がつまりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞など突然死を招く。

 

これらのことから血糖値スパイクのある人は健康寿命が短くなります。さらには認知証の発症にも関与してくるようです。ネズミの実験では記憶力が低下した脳を調べた結果、アルツハイマー型の原因物質であるβアミロイドという異常たんぱく質が増え、正常な神経細胞が死んでいくようです。又インスリンの分泌量の低下は高血糖状態となり糖尿病を発症します。

 

血糖値スパイクのリスクは加齢で高まり、インスリンを分泌する膵臓の働きも劣化していきますので要注意。

 

予防としては、

1)最近の研究報告によれば、食後30分以内に掃除や洗濯、散歩など、静かにしている より、こまめに身体を動かすことがよい。

2)太らないこと。肥満がインスリンの働きを抑制するからです。

3)睡眠不足に注意。よく寝るとインスリンの分泌が増えるから。

4)ストレスをためない。ストレスにより交感神経の働きが高まり、血糖値を上げるホルモン、アドレナリンの分泌が増えるから。

5)食事を抜き、一度にドカ食いをしないことも大切。少し控えめに。

6)運動は筋トレとストレッチを忘れないこと。

 

以上少なくとも最低3つは心掛けましょう。最後に、血糖値スパイクのみられない人では、食後30分間は休憩をとり、強い筋トレなどは要注意です。

 

 

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