卓話「交換留学生のボランティア活動について」
「交換留学生のボランティア活動について」
歯科医師・JDM理事長
大阪船場RC パスト会長
澤 田 宗 久 氏
(関洋輔会員紹介)
私達の人生の価値は、どれ程得たかでは無く、どれ程与えたか、によって判断されます。
「苦しんでいる人から目を背けずに、その苦しみを和らげ同情の言葉をかけるだけでなく、実際何か行動を起こしましょう。社会から享受するだけでなく、社会に貢献しましょう。」これが、国際ロータリー会長K.R.ラビラビン・ドランのテーマで、Be a gift to the world『世界のプレゼントになろう!』です。
2660地区の大阪船場RCでは、私の会長の時、初めて交換留学生を受け入れるようになりました。
アメリカ・ニューヨーク州クーパーズタウンからミルホールドRCを通じて来日した17歳の高校生ジャシュア・シェクタ君です。
彼は、来日に当たり、1年前から独学でインターネットや書物などで日本語を学び、少し日本語を話せるようになっていました。
私達は、彼を受け入れ有意義な留学にする為に、日本での過ごし方について色々な体験を企画しました。普段は大阪府立今宮高校に通って生徒達と一緒に授業を受けていました。春休みに、当クラブの例会にも毎週来てもらい、帰りにメンバーの会社や施設等を訪問し、工場見学をして、会社方針や会社構築の苦労話など、メンバー1人1人の人生論を聴き、生きた社会勉強をしてもらいました。
来日して半年、日本に少し慣れて来た頃にフィピン共和国でのNPO法人ジャパン・デンタル・ミッション(JDM)の歯科医療奉仕活動にボランティアとして参加しました。
JDMとは、私が主幹をしているNPO法人で33年前からバヌアツ共和国・フィリピン共和国で歯科医療奉仕活動を行っていて、船場RC発足当時からサポートをして頂いています。
主な活動としては、
① バヌアツ・フィリピン共和国で病院を拠点として無償の診療を行っています。
小・中学校に出向き、歯科健診や歯磨き指導を行っています。
② 文化交流活動として、日本から画用紙・絵の具・クレパス等を寄贈し、子ども達に絵を描い
てもらい、日本の小・中学校の子ども達と絵画やクラフトなどの交換会をして、文化交流
の懸け橋となっています。
③ 識字率向上の為に、文房具の寄贈を行い、ユニセフの入りにくい山奥の小学校にも直接
鉛筆や文房具を届け、現地教師・看護師・医師等を対象に集まって頂き、虫歯予防の専
門的知識の講習などを指導しています。
④ 青少年育成としては、小学生から中・高校生を対象に活動に参加してもらい、奉仕の精神
と生きる価値観を自ら考え、生きる活力を養うためのきっかけ作りをするお手伝いをして
います。
当時、フィリピン共和国・カオハガン島でのミッションはジャシュア君にとって、初めての経験であります。彼は、最初は戸惑っていましたが、段々と慣れてメンバーと一緒に活動してエンジョイしていました。
彼の仕事は、主にアシスタントですが、治療器具の洗浄、荷物運び、掃除など一生懸命に働いていました。
日本から持って行ったハブラシ・タオル・鉛筆等を現地の小学校にドネーションをしたり、学校健診では、歯磨き指導を衛生士と一緒に行ったり、小学校の先生とのミーティングの通訳もしてくれました。
恒例の島民大運動会では、企画から率先して参加し、子ども達と一緒に楽しくミッションを終えることができました。
JDMは長年にわたり、小学校でボランティアと道徳的なことについて授業を行っています。2016年2月24日(水)に八尾市立竹渕小学校での授業にジャシュア君も同行し、ボランティアに参加した体験談を6年生の生徒の前で発表してもらいました。
彼の感想文には、「人を助け奉仕する喜びを体験できた・・・」と書かれてありました。
これからの未来ある若者とこのような体験を共有できたことは素晴らしい事であります。
彼の人生にとっても有意義な活動となったと思います。
このような活動は、国際奉仕・社会奉仕・職業奉仕・青少年奉仕であります。
ロータリー精神に沿った生きた活動であります。当クラブの方針は、「明るく・仲良く・楽しく・4つのテストを遵守する」事です。すなわち、有言実行「実践成就」を目指しています。