卓話「RI第2660地区IM7組 フィリピン・レイテ島 台風30号(ヨランダ)の復興支援と歯科医療奉仕活動について
2017年5月31日
歯科医師・JDM理事長 / 大阪船場RC
澤田宗久氏
(田中裕子会員紹介)
「RI第2660地区IM7組 フィリピン・レイテ島 台風30号(ヨランダ)の復興支援と
歯科医療奉仕活動について」
2013年11月8日(金)フィリピンを襲った台風30号(ヨランダ)は、高潮がレイテ島に上陸し、フィリピン各地に多大な被害をもたらしました。
私は、翌年の2014年2月にフィリピン・カオハガン島での歯科医療奉仕活動中にレイテ島での視察を行ったところ、高潮と強風の影響で約15万軒の家屋が全壊・半壊となり、4ヶ月経ってもライフラインの復旧作業はまだまだ、電気の無い暗闇での生活を強いられ、瓦礫の山が続き想定外の惨状が今でも目に焼き付いています。
その時に、当時レイテ島復興のNPO法人の代表、佐藤千咲さんとロータリーと協力仕合い、少しでも復興に役立てる支援が行えないかと、相談致しました。
最初は、各クラブ共フィリピンに義損金を捻出されていたので、二の足を踏んでおられましたが、IM7組の会議で、佐藤千咲さんが、プロジェクターで悲惨な状況を熱心に訴えた結果、IM7組の事業として、100万円余りの寄付が集まりました。早速現地で一番必要なものを尋ねた結果、自転車タクシーとチェンソーに決まりました。
2014年6月にガバナー補佐の杉浦敬久様と私とで、早速現地に行って贈呈式を行いました。それも只、お金を送るのではなく、レイテ島で自転車を組み立て、それを自転車タクシー協会が買い上げ、失業中の運転手に順次貸し与えると云う方法で、自助努力による自主復興のシステムを取りました。
チェンソーは台風でなぎ倒されたヤシの木を切る為と家屋を処理する為のもので、性能の良い電動のこぎりを4台届けることができました。
一番必要な物を現地まで届けて頂ける団体は今までなく、ロータリーが初めてだと、村長は、目を潤ませておられました。
その後、2014年9月、次は人道支援として、歯科医療奉仕活動を行いました。私が代表理事をしておりますJDMのメンバーを年間計画外の特別活動として、レイテ島に14名の歯科医師や衛生士、薬剤師、ボランティアが活動いたしました。現地の歯科医師10名も協力して頂き、共同事業として行いました。
診療内容は、主に抜歯でしたが、想定外に歯石除去の希望も多く、歯の充填も沢山行いました。それぞれが手分けして、協力し合い腰痛・腱鞘炎・筋肉痛と闘いながらそれぞれが精一杯診療を続けました。
約3日間、朝8時から診療を開始し、約900名の患者様の治療をすることができました。
レイテ島の視察から始まり、沢山のRCのメンバーの方々からご寄附を頂き、必要な物資を購入し、現地へ手から手へ繋げ、そして最後にマンパワーで自分の持てる力を愛に換えることができました。
自転車タクシーを寄贈して約3ヶ月後に、JDMのメンバーを空港に迎えに来てくれたのは、その自転車タクシーでした。そして記念品として頂いた木の楯はマングローブをチェンソーで切って、手作りの素晴らしい楯でした。
私はRCのメンバーとして誇りに思い、皆様方に心より感謝申し上げます。