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2014-2015年度 活動報告

卓話「裁判員ACT(アクト)“裁判への市民参加を進める会”

2015年4月15日

150415kawabata

「裁判員ACT(アクト)

“裁判への市民参加を進める会”」

 

如月オフィス  川畑惠子様

 

(美谷栄二会員紹介)

 

 

私は2009年に裁判員裁判の候補者になったことをきっかけに裁判員ACTの活動を始めました。私の本業はフリーライターで他のメンバーの職業も様々ですが、裁判員ACTは市民によるボランティア活動です。裁判員の経験を聞くなどして現状と課題を学び、市民の立場で考える活動を続けています。

制度施行から6年が経ち、裁判員を務めた人は6万人近いのですが、裁判員をした話を実際に聞いたことがある人はほとんどいないと思います。公の場で表だって発言する人は、日本中で数十人しかいないのが現状です。しかし、候補者として名簿に載った人はすでに約150万人ですから、ちょっと気をつけてみれば皆さんの身の回りにも候補者や経験者がおられるかもしれません。

 

「裁判員の経験を話せない(話さない)」理由や事情はいろいろあると思われますが、私たちが日頃課題だと考えているのは、裁判員に課せられた守秘義務の問題です。どのような職業にも個人情報などの守秘義務がありますが、これとは別に、裁判員は判決に至るまでの話し合いの過程を話してはいけないことになっており、違反すると罰則があります。もちろん、裁判は公開ですので法廷での証言などのやりとりは話してもかまわないのですが、「話してもいい範囲」がわかりにくいために、「何も話さない」ことを選ぶ人が多いようです。介護疲れの殺人といった家族間の事件など、事件や内容が重苦しいために「思い出したくない」という人。話したい気持ちはあっても、周囲の人が守秘義務を「一切話してはいけない。話すと罰せられる」と誤解しているために話せなかったという人もあります。また、裁判について日常的に話題にするのはそもそもなじまないという人もあります。

経験を話せない、聞けないと何が問題になるのでしょうか。1つは、裁判員の心の負担です。報道では死体の写真などを見ることのストレスが指摘されていますが、いきなり裁判という、難しい言葉が飛び交う非日常の世界に放り込まれ、裁判官と対等な一票を投じて判決を出すという大仕事を担うことになれば、誰もがいろんなことを考えます。それを話せないとしたら、どうでしょう。私たちが話をお聞きした後、「初めてゆっくり話ができて、気持ちが楽になった」という人は多いです。

また、裁判員が実際にどんな役割をしているのかがわからないために、私たち市民が制度を身近なものと感じることができなくなります。制度改善のための検証ができないという問題も指摘されています。

アメリカの陪審制度の歴史は200年。世界中の国には司法に市民が参加する制度があり、より良いものにするための見直しや改善を続けています。政治には選挙という形で市民が参加する。行政には首長選挙の投票や施策やまちづくりの協働で市民が参加する。同じように裁判員裁判は、司法に市民が参加することで、地域や社会がより良くなっていくことをめざすものです。日本の裁判員制度はまだ始まったばかりですが、より良いものになっていけばと願って活動を続けています。

皆さんがもし候補者になったら、辞退しないで参加してみてください。そして、その貴重な経験を積極的に話して社会に共有してください。裁判員になったという方をご存じでしたら、裁判員ACTにご紹介いただけますと幸いです。本日はありがとうございました。

 

  • 裁判員ACTの活動の詳細はHPやブログ等でご紹介しています。

参考

☆“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html

☆フェイスブックhttps://www.facebook.com/saibaninact.osakavol

☆ブログhttp://blog.goo.ne.jp/osakavol-report/c/75d41997315d8237933718b371a797bf

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